
徐々に秋が深まってきました。日中は過ごしやすい気候で、歩くにはちょうど良い時期です。さあ、飯能まちなか散策ツアー2025スタートです。7名の参加者さんがありました。

飯能駅前の案内看板の前で、ツアーガイドの浅野さんが飯能の地理と歴史と産業などについて説明をします。織物と材木業で栄えた頃の飯能が脳裏によみがえってくるようです。

いつも通りの飯能駅前通りの空を見上げると、「あれ?」「電線がない!」とびっくりしたのですが、1年前には既になかったのですね…いい加減な記憶力です(苦笑)。景観としてはすっきりしましたし、お祭りで山車が通る際の危険も少し減るでしょうか?

この場所は銀座通りの出口であり、昔は入間馬車鉄道の終着駅でした。入間川駅(現在の狭山市駅)まで線路を敷いて、鉄道馬車が人や荷物を運んでいたと言いますが、乗ってみたかったですね。ロマンを感じる場所です。

この建物の1Fは昨年は「山川理容店」でしたが、現在は不動産業の平沼さんが事務所として利用されています。少し雰囲気が変わりましたね。表面がきれいに装飾されているいわゆる看板建築です。建物の上部に扇が乗っかったような作りが特徴的ですね。

建物好きの皆さんが、「新川町」前で一斉に立ち止まりました。気になるポイント満載の建物です。外見もおもしろいのですが、中はいろいろな様式が混在していてもっと奇(はちゃめちゃ)だとのこと。

互い違いに組んだスパニッシュ瓦の下に、果物のようなレリーフが並びます。腕の良い左官屋さんの手仕事ですね。

フランクロイドライトも使用した建築技法の「スクラッチタイル」。帝国ホテルから流行りはじめたというレンガ風タイルをひっかいたような壁模様です。

飯能に住む方はこの可愛らしい建物を「ロビングッドフェロー」と呼んでしまうのではないでしょうか。とても美味しいシナモンロールを提供してくれていたお店ですが、現在は休業中です。もう一度灯りがともることを願ってやみません。

吉村旅館です。昔は遊郭やお茶屋さんが入っていたそうですが、戦前に吉村さんが買い取って旅館にしたそうです。三島由紀夫「命売ります」にも登場した旅館です。

千野邸です。平泉レースの職人が葺いたという瓦屋根。梁がせり出し、軒を深くしているため、しっかり玄関が守られています。

一丁目ひだまり公園前で私たち「飯能まちなかを元気にする会」の活動を紹介させていただきました。

時間が押してきたため、ちょっとワープゾーン使います(笑)

銀座通り商店街に出ました。日替わりシェフのお店が入っている建物は、もともとは五軒長屋の端。モルタル擬石造りのピラスターが特徴的で、商店街にレトロな雰囲気を醸し出しています。おかげでロケ地としてもよく登場する商店街の顔のような建物です。

うちの実家の近くでもよく見かけました。これはなんでしょう?正解はゴミ箱です。昔はトタン加工された蓋が付いていて、前面の木の板はスライドするようになっていて、トラックが収集に来ていたそうです。昔はゴミの量が少なかったんだなぁと思ってしまいますね。

飯能織物協同組合事務所にたどり着きました。大正11年の建築物で、絹織物産業の歴史を伝える歴史・文化遺産の一つです。鬼瓦の代わりにシャチホコを乗せています。1Fは事務所、2Fは組合員が集まる100畳余りの大広間。建築様式も和洋混在の擬洋風とされています。中を見学させていただくこととなりました。
(後半へつづく)